補習校の目的 |
一時滞在者の子女が帰国後日本の教育環境に円滑に適応できるよう日本の学校における主要教科及び生活訓練を補助的に行うことを目的とする。また、教育環境の国際化に対応し、永住者や外国籍の子女等にも上述の教育機会を与えるよう配慮する。
シアトル日本語補習学校の概要 |
所在地 :ワシントン州ベルビュー市 (シアトルから東に車で20分ほどの所)
設置団体:シアトル日本商工会(春秋会) (シアトル進出日系企業の団体)
開設 :1971年(昭和46年)
運営母体:シアトル日本語補習学校BOD
校長からのメッセージ |
校長 鹿屋 純一
シアトル日本商工会が母体となり、1971年に開校されて以来、半世紀の歴史を重ねてきた本校は、文部科学省の学習指導要領に基づき、日本国内と同じ教科書を使用して日本語による学習指導を行っています。
補習校の設立当初の目的は、日本語で日本国内の学校に準じた教育を行い、子どもたちが帰国後に学校や社会への適応が円滑にできるようにすることでした。この目的は、現在も揺らぐことなく継承されています。さらに、さまざまな分野でグローバル化が進む現代において、補習校の果たすべき役割は、日本への帰国を前提としない子どもたちをも含めた日本語教育の支援や学習支援を提供することです。それは、日本のよき理解者、応援者となる大切な人材を育てていくことにもつながります。
シアトル日本語補習学校は、日本人の子どもたちに日本人として適切な教育の機会を提供できるように努めています。前述の目的を達成するために、授業では、日本語での国語や算数・数学、社会や理科などの教科学習指導を行っています。また、子どもたちが学業において取り組むための目標も設定しています。
子どもたちが日本を離れて間もない時期には、現地校での学習を優先せざるを得ない現状が生じるのが一般的です。滞在年数が長くなるにしたがって、日本語の語彙や漢字に対する抵抗感も強くなる傾向もあります。その後、補習校に通うことを負担に感じることが出てくることもあるかもしれません。そのような状況を少しでも軽減して、お子様が現地校と本校での学習を両立させ、順調に学校生活を進めていくためにも、以下のことを保護者の皆様にお願いしています。
《日常生活での日本語学習》
・ お子様の年齢に応じた日本語の語彙を、話し言葉や書き言葉の中でできるだけ豊富に使う。
・ 挨拶や返事、日本文化に基づいた作法などの基本的なことを家庭でも実践し、アメリカをはじめ、日本以外の国との違いなどと合わせて
考える機会を日常的にもつ。
・ 日本語の文字に対する抵抗感を少なくするために、日本語の図書や新聞、その他の読み物に触れる機会を多くもつ。
・ 日本語で文章を書くことに自信をもたせるために、日本国内の友達や親戚などに定期的に便りなどを書かせてみる。
・ 地域社会で日本人と話す機会をできるだけ多くもつと同時に、その状況に応じた敬語の使い方も含めた正しい言葉遣いができるように
配慮する。
・ 日本への関心を高めるために、日本国内ではどのようなことが起きているのか、どのような社会や世界の動きがあるのかをお子様の年齢に
応じて話題にする。
《宿題への取組》
お子様が取り組む宿題を確認することは、本校で行われている学習内容や進度、理解度を保護者の皆様が把握したり、親子のコミュニケーシ
ョンを図ったりすることができるよい機会です。
また、お子様が宿題をやりながら質問してくるときは、日本語指導の絶好の機会ととらえ、子ども目線で教えたり、一緒に考えたりすること
に心がけてみましょう。
令和6年度は、園児・児童・生徒計505名、教職員55名でのスタートとなりました。新型コロナウイルス感染症の影響で、本校でも約2年半もの間、自宅学習やオンライン授業を余儀なくされました。しかし、その間に授業や事務手続きなどのオンライン化が進んだため、気象状況が悪化した場合でも、休校を行わず授業を実施できるようになりました。対面授業再開2年目の令和6年度は、学習指導や行事をさらに充実させてまいります。
私は、シアトル日本語補習学校で学ぶ子どもたちには、日本の良さを身に付けた上で、世界の人々と交流してほしいと願っています。そのためにも学校では、『時を守り 場を清め 礼を正す』という基本的なことから取り組んでいきたいと考えています。それらが身に付けば、子どもたちの学習へ取り組む姿勢や人間関係はさらに充実していくと思います。
令和6年度も、本校の校歌にも詠われている「厳しく、楽しく、豊かに学ぶ」という開校当初からの校風を守りつつ、日米の文化を体得し、人権を大切にして高い世界の架け橋となる子どもたちを育ててまいります。そのために、『元気に登校 よく学び よく遊び 笑顔で下校』の合い言葉のもと、教職員が一丸となり子どもたちを中心に据えた学校づくりに努めてまいります。御理解と御協力をよろしくお願いいたします。